COLUMNコラム
TOP/コラム/決断の時 – 実行支援型コンサルが支える廃業から再生への道のり
2025年08月05日

決断の時 – 実行支援型コンサルが支える廃業から再生への道のり

事業再生

近年、経済情勢の変化やコロナ禍の影響により、多くの企業が存続の危機に直面しています。「廃業すべきか、それとも再生を目指すべきか」―この厳しい決断を迫られている経営者の方々にとって、正しい判断基準や適切な支援者の存在は何よりも重要です。

本記事では、廃業と再生の分かれ道に立つ経営者の皆様に向けて、決断のポイントと実行支援型コンサルタントが果たす役割について詳しく解説します。倒産寸前から見事に復活を遂げた中小企業の実例を通じて、再生への道筋を具体的にご紹介するとともに、経営危機を乗り越えるための実践的な知識をお伝えします。

単なる助言だけでなく、実行まで伴走する「実行支援型コンサル」の視点から、廃業か再生かの決断に悩む経営者の方々へ、明日への希望となる情報をお届けします。

1. 【廃業か再生か】経営者が知っておくべき決断のポイントと実行支援型コンサルの役割

経営難に直面したとき、経営者は「廃業」か「再生」かという重大な岐路に立たされます。この決断は会社の未来だけでなく、従業員の生活、取引先との関係、さらには地域経済にまで影響を及ぼす重要なものです。

多くの経営者が決断を先延ばしにしてしまい、状況をさらに悪化させることがあります。帝国データバンクの調査によれば、経営難に陥った企業の約7割が「決断の遅れ」により再生の機会を失っているといわれています。

廃業と再生、どちらを選ぶべきかの判断基準として、まず「キャッシュフローの状況」を把握することが重要です。日々の資金繰りが厳しく、短期的にも改善の見込みがない場合は、廃業を検討する必要があるでしょう。一方、コア事業に収益性があり、不採算部門の整理や事業再構築で回復が見込める場合は、再生に向けた道を模索する価値があります。

次に重視すべきは「市場環境と自社の競争力」です。業界全体が衰退傾向にあり、自社の強みも薄れている場合は、廃業も選択肢となります。しかし、市場にニーズがあり、自社の技術やノウハウに価値がある場合は、事業再生や事業承継などの選択肢を検討すべきでしょう。

このような複雑な判断を一人で行うことは非常に困難です。ここで重要な役割を果たすのが実行支援型コンサルタントです。通常のコンサルティングが「分析と提案」にとどまるのに対し、実行支援型コンサルは経営者と共に現場に入り、実際の業務改革や再建計画の実行をサポートします。

東京商工リサーチの分析によれば、再生に成功した中小企業の約65%が外部専門家の支援を受けており、その中でも実行支援型のコンサルティングを活用した企業の成功率は約1.8倍高いというデータがあります。

実行支援型コンサルの具体的な役割として、まず「客観的な経営分析」があります。感情に左右されることなく、数字に基づいた冷静な判断をサポートします。また「金融機関との交渉」や「事業再生計画の策定と実行」においても専門的知見を活かした支援が可能です。

さらに、経営者一人では抱えきれない「心理的負担の軽減」という側面も重要です。特に中小企業では、経営者個人の信用や個人資産が会社と密接に結びついているケースが多く、精神的プレッシャーは計り知れません。

事例として、老舗の印刷会社が実行支援型コンサルの支援を受け、デジタル印刷への事業転換と組織改革により再生に成功したケースや、飲食チェーンが不採算店舗の整理と残存店舗の高付加価値化により収益を回復させたケースなどが挙げられます。

廃業か再生か、その決断は経営者にとって人生で最も困難な選択の一つかもしれません。しかし、適切なタイミングで専門家の支援を受けることで、より良い決断と実行が可能になります。経営の岐路に立ったとき、一人で抱え込まず、実行支援型コンサルタントという心強いパートナーを検討してみてはいかがでしょうか。

2. 倒産寸前から蘇った中小企業の実例!実行支援型コンサルが明かす再生の秘訣

倒産寸前にまで追い込まれた企業が見事に復活する——そんなドラマのような展開は、現実の世界でも起こりえます。今回は、実行支援型コンサルタントの介入により劇的な再生を果たした中小企業の実例をご紹介します。

京都府で約40年続く老舗の金属加工業A社は、リーマンショック後の受注激減と主要取引先の海外移転により、借入金が膨らみ資金繰りが悪化。月次の赤字が続き、メインバンクからの追加融資も難しい状況でした。従業員30名の雇用も危ぶまれる中、最後の望みを託して実行支援型コンサルティングファームの門を叩きました。

再生の第一歩は「現状の徹底的な可視化」でした。コンサルタントは2週間にわたり現場に張り付き、生産ラインの稼働状況、在庫管理、受発注フロー、顧客別収益性を詳細に分析。その結果、驚くべき事実が明らかになりました。売上の40%を占める大口顧客向け製品が実は赤字で、利益を圧迫していたのです。

コンサルタントは経営者と共に「選択と集中」の戦略を立案。赤字商品の価格交渉と製造工程の見直しを実施する一方、高収益の中小ロット製品に注力するビジネスモデルへの転換を図りました。さらに、工場レイアウトの改善により生産効率を30%向上させ、納期短縮と品質向上を実現。これらの取り組みは単なる提案で終わらせず、コンサルタント自らが現場で陣頭指揮を執り、従業員と共に改善を進めていきました。

金融機関対応も大きな課題でした。実行支援型コンサルタントは、具体的な数字と行動計画に基づく再生計画を策定。メインバンクとの交渉の場では、すでに成果が出始めていた現場改善の事例を示しながら、経営者の本気度を伝えることに成功しました。その結果、リスケジュールの合意を取り付け、運転資金の確保にも道筋をつけることができました。

取り組み開始から6ヶ月後、A社は月次黒字化を達成。1年後には借入金の返済も計画通りに進み、さらに新規顧客からの引き合いも増加するという好循環が生まれました。驚くべきことに、再生過程で獲得した高効率生産のノウハウを活かし、同業他社からの製造委託も受けるようになったのです。

この事例から学べる再生の秘訣は主に3つあります。

1. 感情ではなくデータに基づく意思決定
2. 「何をやめるか」の決断と実行力
3. 経営者と従業員が一丸となって変革に取り組む組織文化の醸成

実行支援型コンサルティングの真価は、単なるアドバイスではなく「共に汗をかく」姿勢にあります。経営難に直面している中小企業経営者にとって、再生への道は決して平坦ではありませんが、適切なパートナーを得ることで、倒産は「終わり」ではなく「新たな始まり」への分岐点となり得るのです。

3. 経営危機を乗り越えるための最終手段?廃業と再生の分かれ道で知っておくべきこと

経営危機に直面したとき、多くの経営者は「廃業か再生か」という究極の選択を迫られます。この決断は企業の将来だけでなく、従業員の生活や取引先との関係など、多くの人々の運命を左右する重大なものです。

実は廃業と一口に言っても、その形態はさまざまです。清算型の廃業、事業譲渡による廃業、会社分割による一部事業の継続など、状況に応じた選択肢があります。一方で再生においても、金融機関との交渉による返済条件の変更、事業再生ADR、民事再生法の適用など、複数の道筋が存在します。

経営危機を乗り越えるための判断基準として最も重要なのは「事業の収益性」です。たとえ現在は赤字でも、構造改革によって黒字化の見込みがあるなら再生の道を模索する価値があります。ある製造業では、不採算部門の整理と主力商品への経営資源集中により、債務超過から脱却した事例もあります。

反対に、市場環境の変化により事業モデル自体が成立しなくなっている場合は、潔く廃業を選択し、経営者自身の再出発を図ることも重要な決断です。株式会社帝国データバンクの調査によれば、廃業後に再チャレンジする経営者の約30%が次の事業で成功を収めています。

判断を誤りやすいポイントとして、感情的な経営判断があります。「先代から受け継いだ会社だから」「従業員を路頭に迷わせたくない」という気持ちは理解できますが、冷静な分析なしに事業継続を選ぶことで、問題が深刻化するケースも少なくありません。

実行支援型コンサルタントの価値は、この難しい判断を客観的な数字とプロの知見でサポートすることにあります。再生の道を選ぶなら具体的な再建計画の策定と実行支援、廃業なら円滑な撤退と関係者へのダメージ最小化を支援します。

経営危機における最適解は一つではありません。大切なのは、経営者自身が状況を冷静に分析し、必要なら専門家の力を借りながら、自社にとって最善の道を選択することです。そして何より、どちらの道を選んでも、経営者としての誇りと責任を持って最後まで走り抜けることが、関係者全員のためになるのです。

【監修者】ブルーリーフパートナーズ
代表取締役 小泉 誉幸

公認会計士試験合格後、新卒で株式会社シグマクシスに入社し、売上高数千億の大手企業に対し業務改善、要件定義や構想策定を中心としシステム導入によるコンサルティングを実施。その後、中堅中小企業の事業再生を主業務としているロングブラックパートナーズ株式会社にて財務DD、事業DD、再生計画の立案、損益改善施策検討に従事。ブルーリーフパートナーズ株式会社設立後は加え税理士法人含む全社の事業推進を実施。
・慶應義塾大学大学院商学研究科修了

事業が厳しいと感じたら、早めの決断が重要です。
最適な再生戦略を一緒に考え、実行に移しましょう。