コロナ禍で増加中!融資延滞からの脱出法を徹底解説

コロナウイルスの世界的流行により、多くの事業者様が資金繰りの悪化に直面されています。「融資の返済が滞ってしまった」「このまま倒産してしまうのでは」と不安を抱えていらっしゃる経営者の方も少なくないでしょう。実際に2020年以降、融資の延滞率は全国的に上昇傾向にあり、中小企業を中心に深刻な状況が続いています。
しかし、融資の延滞は必ずしも経営破綻を意味するわけではありません。適切な対応と戦略的なアプローチによって、この危機を乗り越え、むしろ事業を立て直すきっかけとすることも可能です。
本記事では、コロナ禍での融資延滞に悩む経営者の方々に向けて、実践的な脱出法と信用回復のための具体的ステップをご紹介します。銀行との交渉術から資金繰り改善の実例まで、実際にV字回復を果たした企業の事例を踏まえながら徹底解説いたします。
融資延滞でお悩みの方、今後の返済に不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。この記事があなたのビジネス再生の一助となれば幸いです。
1. コロナ禍での資金繰り悪化は他人事ではない!融資延滞から立ち直るための5つの実践ステップ
コロナ禍の長期化により、多くの事業者が資金繰りの悪化に直面しています。日本政策金融公庫の調査によれば、中小企業の約3割が「資金繰りが厳しい」と回答し、融資の返済延滞率も増加傾向にあります。一度延滞状態に陥ると、信用情報への影響だけでなく、追加融資が受けられなくなるなど、事業継続に大きな支障をきたします。
しかし、融資延滞からの回復は不可能ではありません。以下の5つのステップを実践することで、状況を好転させることができます。
【ステップ1】現状を正確に把握する
まずは自社の財務状況を詳細に分析しましょう。売上・経費・借入金の全体像を把握し、いつまでにいくらの資金が必要かを明確にします。キャッシュフロー表を作成し、今後6ヶ月間の資金繰り予測を立てることが重要です。
【ステップ2】金融機関に早期相談する
延滞が発生した、または発生しそうな場合は、すぐに金融機関に連絡しましょう。問題を隠すことは最悪の選択です。三井住友銀行や日本政策金融公庫などの金融機関は、返済条件の変更や借換えなどの対応策を提案してくれます。状況説明と返済計画を準備して臨みましょう。
【ステップ3】資金調達の選択肢を広げる
既存の融資返済に困っている状態でも、活用できる資金調達方法はあります。事業再生を支援する中小企業再生支援協議会への相談や、ファクタリング(売掛金の買取)、リースバック(保有資産の活用)などの方法も検討価値があります。
【ステップ4】経費削減と収益改善を同時進行
単なる経費削減だけでなく、収益構造の改善も必要です。固定費の見直し、在庫管理の適正化、新規顧客獲得策の実施など、両面からのアプローチが重要です。コロナ禍で注目された業態転換やオンラインビジネスへの移行も選択肢として検討しましょう。
【ステップ5】専門家の力を借りる
税理士や公認会計士、中小企業診断士などの専門家に相談することで、より実効性の高い対策を講じることができます。東京商工会議所や各地の商工会議所では、経営相談を無料で受け付けているケースもあります。
延滞状態からの回復には時間がかかりますが、適切な対応と地道な努力によって、必ず道は開けます。重要なのは問題から目を背けず、早期に行動を起こすことです。金融機関も事業者の再生を望んでおり、誠実な対応を続ければ、信頼関係を再構築できるでしょう。
2. 銀行も教えてくれない!融資延滞後の信用回復術と再起のためのロードマップ
融資の延滞は事業者にとって大きな痛手ですが、この状況から信用を回復し、再起するための道筋は必ず存在します。多くの銀行や金融機関は延滞後の具体的な回復プロセスを詳しく教えてくれないため、今回はその全容を明らかにしていきます。
まず重要なのは、延滞の事実を正しく認識し、向き合うことです。信用情報機関には通常、延滞情報が5〜7年間記録されます。この期間が「信用回復期間」となりますが、計画的な行動で実質的な回復は早められます。
具体的な信用回復ステップとしては、第一に全ての延滞を解消することが最優先です。部分的な返済よりも、一つの債務を完全に返済する方が信用回復には効果的です。次に、既存の健全な取引関係を維持・強化しましょう。リース契約や小口のビジネスローンを計画通り返済することで、新たな信用履歴を積み上げられます。
日本政策金融公庫の「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」は、延滞歴があっても比較的審査が通りやすいケースがあります。信用保証協会の「セーフティネット保証」も、一定条件下では延滞があっても利用できる可能性があります。
再起のロードマップとしては、6ヶ月目標の短期計画と3年計画の中長期戦略を併用するのが効果的です。最初の6ヶ月は延滞解消と資金繰り安定化に注力し、次の1〜3年で事業モデルの見直しと段階的な借入復活を目指します。
実際に大手アパレルメーカーの経営者は、コロナ禍での売上激減により3ヶ月の延滞状態に陥りましたが、事業計画の抜本的見直しと経営改善計画の策定により、18ヶ月後には新規融資を受けることができました。
銀行との関係修復には、延滞解消後も定期的な経営状況の報告と、小さな約束を確実に守る姿勢が不可欠です。延滞は終わりではなく、より強固な経営基盤を築くきっかけとなるのです。
3. 経営者必見!コロナ禍による融資延滞からV字回復した企業の共通点とは
コロナ禍によって事業に打撃を受け、融資の返済に苦しむ企業は少なくありません。しかし、同じ困難な状況から見事に復活を遂げた企業も存在します。融資延滞から立ち直り、V字回復を果たした企業には、いくつかの共通点が見られます。
まず挙げられるのが「早期の危機認識と迅速な対応」です。日本政策金融公庫の調査によれば、回復した企業の約75%が売上減少の兆候を感じた直後に行動を起こしています。ヤマト運輸は配送需要の変化をいち早く察知し、個人向けサービスを強化することで新たな収益源を確保しました。
次に「事業モデルの柔軟な転換」も重要です。飲食店「叙々苑」はテイクアウトやデリバリーに素早く対応し、従来の店内飲食に依存しないビジネスモデルを構築。その結果、店舗営業が制限される中でも安定した収益を確保することに成功しました。
「コスト構造の抜本的見直し」も回復企業の特徴です。固定費の削減だけでなく、どの事業が本当に利益を生み出しているかを精査し、不採算部門からの撤退を決断した企業が多く見られます。ANA HDは国際線の運航規模を縮小し、貨物輸送など高収益事業に経営資源を集中させることで財務体質を改善しました。
また「デジタル化の積極的推進」も見逃せません。非対面ビジネスへの転換やDXによって業務効率化を図った企業は、人件費削減と顧客体験向上の両方を実現しています。昭和電工は工場のIoT化を加速させ、少ない人員でも生産性を維持する体制を構築しました。
さらに「銀行や債権者との透明なコミュニケーション」も重要です。財務状況を隠さず共有し、実現可能な返済計画を提案した企業は、返済条件の変更や追加融資を受けやすい傾向にあります。ゼロからスタートしたベンチャー企業のメルカリも、投資家との丁寧なコミュニケーションによって資金調達を成功させています。
V字回復企業に共通するのは、単なる「我慢」や「縮小」だけでなく、危機をチャンスに変える積極的な姿勢です。融資延滞は企業の終わりではなく、むしろ事業を根本から見直し、より強固な基盤を築くきっかけになり得るのです。
【監修者】ブルーリーフパートナーズ
代表取締役 小泉 誉幸
公認会計士試験合格後、新卒で株式会社シグマクシスに入社し、売上高数千億の大手企業に対し業務改善、要件定義や構想策定を中心としシステム導入によるコンサルティングを実施。その後、中堅中小企業の事業再生を主業務としているロングブラックパートナーズ株式会社にて財務DD、事業DD、再生計画の立案、損益改善施策検討に従事。ブルーリーフパートナーズ株式会社設立後は加え税理士法人含む全社の事業推進を実施。
・慶應義塾大学大学院商学研究科修了