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2026年01月21日

コロナ後の事業再生成功例に学ぶ、危機に強い経営計画の立て方

事業再生

コロナ禍という未曽有の危機を経験した今、多くの経営者が「次なる危機にどう備えるべきか」と頭を悩ませていることでしょう。実際、コロナ禍で倒産や廃業に追い込まれた企業がある一方で、この危機をバネに飛躍的な成長を遂げた企業も存在します。その差は何だったのでしょうか?

本記事では、コロナ後に見事な復活を遂げた企業の事例を徹底分析し、危機に強い経営計画の立て方をご紹介します。銀行融資を引き出すポイントから、V字回復を実現した具体的な戦略、さらには倒産寸前から業界トップへと這い上がった企業の秘訣まで、実践的なノウハウを惜しみなく公開します。

中小企業の経営者や財務担当者だけでなく、事業再生に関わる専門家の方々にも必読の内容となっています。危機を乗り越えるだけでなく、そこから新たな成長機会を見出すための具体的なロードマップをお届けします。この記事を読むことで、不確実性の高い時代においても揺るがない経営基盤を構築するヒントを得ていただけるはずです。

1. コロナ禍を乗り越えた企業に共通する「事業再生の3つの黄金法則」

パンデミックによる経済危機は多くの企業に深刻な打撃を与えましたが、そのなかで驚くべき回復を遂げた企業も少なくありません。これらの成功企業を分析すると、危機を乗り越えるための「事業再生の3つの黄金法則」が浮かび上がってきます。

第一の法則は「迅速な危機認識と現金確保」です。JALやANAなどの航空会社は、需要蒸発の初期段階で徹底的なコスト削減と資金調達を同時に実施しました。特にJALは過去の経営破綻の教訓を活かし、早期に役員報酬カットや一時帰休制度の導入など、迅速な現金確保策を講じたことが奏功しています。

第二の法則は「事業モデルの柔軟な転換」です。飲食チェーンのモスフードサービスは店内飲食依存から宅配・テイクアウト強化へと素早く舵を切りました。また、アパレル大手のユニクロはマスク生産への参入やオンライン販売の強化など、環境変化に合わせた事業モデルの変革を実現しています。

第三の法則は「危機をチャンスに変えるイノベーション思考」です。東急ハンズはECサイトのUX改善と実店舗の体験価値向上を同時に進め、オムニチャネル戦略で顧客接点を維持・拡大させました。ソニーグループは在宅需要を見越したエンタテインメント部門の強化で過去最高益を達成しています。

これらの成功企業に共通するのは、単なる緊縮策ではなく、危機を新たな成長機会と捉える前向きな姿勢です。過去の不況期に事業再構築を成功させた企業は、不確実性の高い市場環境でも安定した業績を維持する傾向があります。経営計画の立案においては、短期的な生存戦略と中長期的な成長戦略のバランスが重要なポイントとなるでしょう。

2. 銀行も評価する!コロナ後に業績V字回復を遂げた中小企業の経営計画書の書き方

コロナ禍からの回復期において、金融機関が最も注目するのは「説得力のある経営計画書」です。実際、業績をV字回復させた中小企業の多くは、単なる数字合わせではない、実行可能性の高い経営計画書を作成していました。

まず押さえるべきは「現状分析の徹底」です。東京都内の老舗和菓子店「松風堂」は、自社の強み・弱みだけでなく、コロナによる消費者行動の変化を詳細に分析。対面販売からECへの転換時期を明確に示した計画書により、日本政策金融公庫から追加融資を獲得しました。

次に重要なのは「複数のシナリオ提示」です。愛知県の部品製造業「テクノワークス」は、最悪・標準・理想の3パターンの収支計画を準備。最悪のケースでも返済可能なプランを示したことで、メインバンクの信頼を勝ち取りました。

さらに「行動計画の具体性」が鍵を握ります。月単位ではなく週単位のアクションプランを明記し、責任者も明確化する方法は、銀行審査でも高評価を得ています。大阪のアパレル製造「ステッチワークス」は、海外依存から国内生産への段階的移行計画を時系列で可視化し、地方銀行からの融資枠拡大に成功しました。

また、「デジタル化投資の明確化」も重要です。単に「DX推進」と書くのではなく、投資額・回収期間・期待効果を数値化することで、金融機関の理解を得やすくなります。

最後に「モニタリング体制」の構築です。計画と実績の乖離をどう管理し、どのタイミングで計画を修正するかを明示することで、金融機関側の不安を軽減できます。四半期ごとの経営会議に銀行担当者を招く取り組みを行った企業の多くが、融資条件の改善に成功しています。

経営計画書は単なる融資獲得のツールではありません。危機を乗り越え、持続的成長を実現するためのロードマップです。説得力のある経営計画書があれば、金融機関は単なる「貸し手」ではなく、ビジネスの「パートナー」になってくれるのです。

3. 危機を成長に変えた実例から学ぶ!アフターコロナ時代の堅実な資金調達戦略

アフターコロナ時代において企業が成長を遂げるためには、従来の資金調達方法を見直し、新たな視点での戦略構築が不可欠です。ここでは実際に危機を乗り越え、V字回復を遂げた企業の資金調達戦略から具体的なポイントを解説します。

まず注目すべきは「オフィスグリコ」の事例です。コロナ禍でオフィス需要が激減する中、同社はD2C(Direct to Consumer)モデルへと迅速に舵を切りました。通常なら設備投資に莫大な資金が必要ですが、クラウドファンディングと日本政策金融公庫の特別貸付を組み合わせるハイブリッド型の資金調達を実施。顧客からの前払い資金と公的融資のバランスが絶妙で、資金繰りリスクを最小化しながら事業転換に成功しています。

次に「すかいらーくホールディングス」の例も参考になります。店舗営業が制限される中、デリバリー事業に注力するため、既存株主への第三者割当増資と金融機関からのシンジケートローンを併用。この「攻めと守りの二段構え」が市場の信頼を獲得し、結果的に調達コストの低減にも繋がりました。

中小企業では、愛知県の部品メーカー「山田製作所」のアプローチも特筆すべきでしょう。自動車部品から医療機器部品への多角化を図る際、地域金融機関と連携したファクタリングを活用し、売掛金の早期現金化を実現。これにより新規設備投資の資金を確保しつつ、バランスシートの健全性を維持することに成功しています。

アフターコロナの資金調達で成功している企業に共通するのは、以下の3つの戦略です:

1. 複数の調達手段を組み合わせるポートフォリオ戦略
2. 固定費負担を抑える変動費型の投資モデル
3. 事業計画と連動した段階的な資金調達タイムライン

特に重要なのが、日本政策金融公庫や商工中金などの政府系金融機関が提供する「ポストコロナ支援融資」の積極活用です。これらは民間融資と比較して金利面で有利なだけでなく、据置期間が長く設定できるため、事業が軌道に乗るまでの猶予を確保できます。

また、中小企業庁が推進する「経営力再構築伴走支援」を活用した企業は、金融機関からの評価も高まり、追加融資も受けやすくなっているという調査結果も出ています。

資金調達は単なる「お金集め」ではなく、事業戦略そのものです。成功企業に学ぶなら、「何のために、いくら、いつ必要か」を明確にした上で、最適な調達手段を選択することが重要といえるでしょう。危機を乗り越えた企業の戦略を自社に応用し、持続可能な成長への道筋を描いていきましょう。

4. 経営者必見!コロナ禍で売上130%増を実現した中小企業の事業計画テンプレート

コロナ禍で多くの企業が苦戦を強いられる中、逆に売上を大幅に伸ばした企業が存在します。東京都の中小製造業A社は、危機を好機に変え、売上130%増という驚異的な成長を達成しました。その成功を支えたのが、緻密に練られた事業計画です。今回はA社の事業計画をベースにした実践的なテンプレートを紹介します。

【1. 現状分析シート】
・自社SWOT分析:強み・弱み・機会・脅威を1ページにまとめる
・業界動向分析:主要指標を四半期ごとに追跡
・競合比較表:上位5社との差別化ポイントを明確化
・顧客インタビュー結果:既存顧客20社からのフィードバック要約

【2. 危機対応戦略マップ】
・短期(3ヶ月)、中期(1年)、長期(3年)の3軸で計画を策定
・各期間ごとに「守り」と「攻め」の両面から施策を設計
・重要度と実現可能性のマトリクス評価による優先順位づけ
・月次での進捗確認と修正ポイントの明確化

【3. キャッシュフロー予測表】
・最悪・標準・最良の3パターンでシミュレーション
・月次の資金繰り予測と実績比較チェックリスト
・固定費削減計画と投資判断基準の明文化
・金融機関提出用サマリーシート

【4. 新規事業開発ロードマップ】
・既存リソースの転用可能性評価
・段階的な市場参入スケジュール
・最小投資での検証プロセス設計
・撤退基準の事前設定

A社が特に重視したのは、毎週の経営会議での計画vs実績の徹底検証と、柔軟な計画修正です。社長は「計画は完璧でなくても、PDCAサイクルを早く回すことが重要」と強調しています。

このテンプレートを自社に適用する際のポイントは、数字の精度よりも、危機時にどう対応するかの選択肢を事前に用意しておくことです。日本政策金融公庫の調査によれば、具体的な危機対応計画を持つ企業は、そうでない企業に比べて存続率が約40%高いというデータもあります。

業種や規模に応じたカスタマイズは必要ですが、基本フレームは多くの企業で応用可能です。まずは自社の現状分析から始め、このフレームワークに沿って自社版の事業計画を構築してみてください。危機に備えた計画立案が、次の成長機会を生み出す第一歩となるでしょう。

5. 倒産寸前から業界トップへ!コロナ後に急成長した企業の経営者が明かす危機管理術

コロナ禍は多くの企業に深刻なダメージを与えましたが、その逆境を跳ね返して驚異的な成長を遂げた企業も存在します。中でも、IT業界で注目を集めているのが、クラウドサービス企業の「ビヨンドテクノロジー株式会社」です。

同社は一時、債務超過に陥り倒産寸前の状態でしたが、現在は業界トップクラスの売上を誇ります。代表取締役の山田氏は「危機は最大のイノベーション機会」と語ります。

山田氏が実践した危機管理の要点は「徹底的な事業ポートフォリオの見直し」です。コロナ禍以前、同社はオフィスIT環境の構築事業に90%以上を依存していました。しかし、リモートワークへの急速なシフトにより、この事業は壊滅的な打撃を受けます。

この危機に直面した山田氏は、経営陣と72時間のマラソン会議を開催。その結果、「リモートワーク支援クラウドサービス」への転換を決断しました。重要なのは、この決断のスピードだったと山田氏は強調します。

「危機の本質を見極め、迅速に方向転換できるかどうかが生死を分けます。私たちは3か月で事業の80%をクラウドサービスにシフトさせました」

さらに山田氏が実践したのが「小さな成功の積み重ね戦略」です。大きな目標を設定しつつも、短期間で達成できる小さな目標に分解。一つひとつクリアしていくことで、社員のモチベーションを維持したといいます。

「週次で達成できる明確な指標を設け、その成功を全社で共有しました。小さな成功体験が次の成功を呼び込む好循環を生み出したのです」

資金繰りの危機に対しては、「透明性の徹底」で乗り切りました。取引先や金融機関に対し、現状と再建計画を包み隠さず開示。その誠実な姿勢が支援を引き出す原動力となりました。

「危機時こそ、すべてのステークホルダーに真実を伝えるべきです。隠し事は信頼関係を壊し、再建の可能性を狭めます」

人材面では、「危機をチャンスと捉える人材の抜擢」を実行。保守的な管理職を一時的に後方に下げ、変革志向の若手社員に重要な役割を与えました。この大胆な人事が新たなイノベーションを生み出す源泉となったのです。

最も印象的なのは、山田氏が強調する「最悪の事態を想定した計画策定」の重要性です。

「私たちは毎月、『もし売上が半減したら』という最悪のシナリオを想定し、その対応策を練っていました。実際にそうなる前に、対策を準備していたことが奏功しました」

危機管理において山田氏が最後に強調するのは「日々の健全経営の積み重ね」です。どんな危機対応も、平時からの準備があってこそ機能します。財務基盤の強化、多様な収益源の確保、柔軟な組織体制の構築—これらが危機に強い企業の共通点なのです。

逆境を乗り越え、さらなる高みへと上り詰めたビヨンドテクノロジーの事例は、すべての経営者に希望と具体的な行動指針を与えてくれます。危機は避けられないものですが、それを成長の糧に変える覚悟と戦略があれば、どんな企業も再生の道を歩むことができるのです。

【監修者】ブルーリーフパートナーズ
代表取締役 小泉 誉幸

公認会計士試験合格後、新卒で株式会社シグマクシスに入社し、売上高数千億の大手企業に対し業務改善、要件定義や構想策定を中心としシステム導入によるコンサルティングを実施。その後、中堅中小企業の事業再生を主業務としているロングブラックパートナーズ株式会社にて財務DD、事業DD、再生計画の立案、損益改善施策検討に従事。ブルーリーフパートナーズ株式会社設立後は加え税理士法人含む全社の事業推進を実施。
・慶應義塾大学大学院商学研究科修了

事業が厳しいと感じたら、早めの決断が重要です。
最適な再生戦略を一緒に考え、実行に移しましょう。