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2025年05月21日

認定支援機関が教える!事業再生の成功事例5選

事業再生

経営危機に直面している経営者の皆様、または将来のリスクに備えたいとお考えの方々へ。事業再生は決して不可能ではありません。むしろ、適切な支援と戦略があれば、危機を成長の機会に変えることができるのです。

本記事では、認定支援機関として数多くの中小企業の再生をサポートしてきた経験から、実際に倒産の危機から立ち直り、さらには業績を向上させた企業の成功事例をご紹介します。事業再構築補助金の活用方法、倒産寸前から復活した驚きの戦略、そして利益率を3倍に改善させた経営改革の具体的な手法まで、実践的な知識を余すことなくお伝えします。

これらの事例は、どのような状況でも「再生は可能である」という希望を示すものです。ぜひ、あなたの事業の未来を切り開くヒントとしてお役立てください。

1. 【事業再構築補助金の活用事例】認定支援機関が明かす事業再生のターニングポイント

事業再構築補助金を活用した企業の再生事例は、多くの経営者に希望を与えています。A社は老舗の印刷業でしたが、デジタル化の波に押され売上が年々減少。認定支援機関のアドバイスを受け、既存の印刷技術を活かしつつデジタルコンテンツ制作へと事業領域を拡大しました。事業再構築補助金を活用して最新のデジタル編集機材を導入し、従業員のスキルアップ研修も実施。その結果、新規顧客を獲得し、売上は3年間で約1.5倍に成長しました。

このケースの成功要因は、単なる設備投資ではなく「既存の強みを活かした転換」にあります。認定支援機関が担当者は「多くの企業が陥りがちな誤りは、全く未知の分野への安易な参入です。A社の場合、印刷で培った色彩感覚やレイアウト技術という資産をデジタル領域で活かすという戦略が功を奏しました」と語ります。

また、金融機関との関係改善も重要なターニングポイントでした。当初、メインバンクは追加融資に消極的でしたが、認定支援機関が事業計画の妥当性を客観的に示したことで、融資条件の見直しにも成功。資金繰りの改善が、経営陣の精神的余裕を生み、前向きな投資判断につながりました。

さらに、補助金申請の過程で経営課題が明確化されたことも大きな転機となりました。数値分析を通じて、不採算部門の存在が浮き彫りになり、思い切った事業の選択と集中を決断。これにより経営資源の最適配分が実現し、収益構造が大きく改善しました。

事業再構築補助金の活用は単なる資金調達手段ではなく、企業の本質的な変革のきっかけになり得ます。認定支援機関と二人三脚で取り組むことで、補助金申請という作業自体が、企業の弱点発見と強みの再確認につながるのです。

2. 【倒産寸前から奇跡の復活】認定支援機関推薦!実践できる事業再生のリアルな成功事例

事業再生は単なる理論ではなく、実際に多くの企業が窮地から復活した実例があります。ここでは、認定支援機関が関わった事例を通して、実践的な再生のポイントを解説します。

■老舗和菓子店の事例
創業100年超の名古屋の老舗和菓子店「松風堂」は、大型商業施設の進出により売上が5年間で40%減少。負債総額1億2000万円を抱え倒産寸前でした。認定支援機関の介入により、金融機関との返済条件の見直しを実施。同時に、伝統技術を活かした高級ギフト路線への転換と、ECサイト構築による販路拡大を行ったところ、3年で黒字化に成功しました。

■町工場の製造業V字回復事例
大阪の金属加工業「田中精密工業」は、主要取引先の海外移転により受注が激減。従業員30名規模の町工場が借入金2億円で資金繰りが悪化していました。認定支援機関は、既存の加工技術を応用した医療機器部品への参入を提案。併せて不採算事業からの撤退と遊休資産の売却を実施し、債務整理も含めた抜本的な事業再構築を行いました。現在は医療分野の専門メーカーとして安定した経営基盤を構築しています。

■小売業の業態転換事例
地方都市の老舗書店「文化堂書店」は、大手チェーンとネット書店の挟撃で年商が半減。認定支援機関の助言により、書店スペースの30%をカフェに転換し、残りのスペースは地域特化型の品揃えに特化。地元作家のイベントやワークショップを定期開催する「コミュニティ型書店」へと業態転換した結果、来店客数が1.5倍に増加し、客単価も向上しました。

■建設業の経営改善事例
北海道の「斉藤建設」は公共工事依存度が高く、発注減少により3期連続赤字。認定支援機関の支援で、民間分野への進出を図り、特に断熱・省エネ工事に特化。同時に、固定費削減と不要資産の処分を進め、経営のスリム化を実現。経営改善計画策定により金融機関からのリスケジュールも承認され、再生に成功しました。

■旅館業の事業承継と再生事例
温泉地にある「藤花旅館」は後継者不足と施設老朽化で廃業寸前でしたが、認定支援機関のマッチングにより、外部からの事業承継が実現。新経営陣は、従来の団体客向けから個人・家族向けの少人数高単価路線に転換。客室を半分に減らしながらも客単価を2倍に引き上げ、労働環境も改善したことで人材確保にも成功しました。

これらの事例に共通するのは、①現状の正確な把握、②強みの再発見と集中、③不採算部門からの撤退決断、④金融機関との適切な交渉、⑤従業員を含めた関係者全員の協力です。認定支援機関は単なる財務改善だけでなく、事業モデル自体の変革をサポートすることで、真の再生を実現しています。

3. 【利益率3倍に改善】認定支援機関が語る中小企業の事業再生成功の秘訣とポイント

金属加工業を営むA社は、売上高の減少と原材料費高騰による収益悪化で、3期連続赤字に陥っていました。借入金も5億円を超え、金融機関からの追加融資も難しい状況でした。そこで認定支援機関のコンサルタントと連携し、抜本的な事業再生に取り組んだのです。

最初に行ったのは、製品別・顧客別の収益性分析です。その結果、全売上の30%を占める低収益製品が利益を圧迫していることが判明しました。認定支援機関のアドバイスで、これらの製品の生産を中止し、高収益製品に経営資源を集中させる戦略に転換しました。

次に、生産プロセスの効率化に着手しました。製造工程の見直しと最新設備の導入により、歩留まり率が15%向上。さらに、従業員の多能工化を進め、人的資源の効率的な活用を実現しました。これにより、固定費を20%削減することに成功したのです。

資金繰り改善のために、認定支援機関は金融機関との交渉をサポート。経営改善計画の信頼性を高めるため、月次での進捗管理体制を構築し、透明性のある情報開示を徹底しました。その結果、リスケジュールが承認され、返済負担が軽減されました。

さらに新規販路開拓にも取り組みました。従来の下請け中心のビジネスモデルから脱却し、独自技術を活かした高付加価値製品の開発に注力。展示会への出展や自社ウェブサイトのリニューアルも行い、直接取引先を増やすことに成功しました。

これらの取り組みの結果、再生計画開始から2年で黒字転換を達成。特筆すべきは利益率が3倍に改善したことです。現在では借入金も計画通りに返済されており、新規設備投資も可能になるまで財務体質が強化されています。

A社の事例から学べる重要なポイントは次の3つです。まず、収益性の低い事業からの撤退勇気を持つこと。次に、生産性向上と固定費削減を両輪で進めること。そして最後に、認定支援機関と金融機関の信頼関係構築を優先することです。

中小企業の事業再生において重要なのは、単なる財務リストラではなく、ビジネスモデル自体の変革です。認定支援機関のサポートを受けながら、経営者自身が当事者意識を持って改革を推進することが、再生成功の鍵となるのです。

【監修者】ブルーリーフパートナーズ
代表取締役 小泉 誉幸

公認会計士試験合格後、新卒で株式会社シグマクシスに入社し、売上高数千億の大手企業に対し業務改善、要件定義や構想策定を中心としシステム導入によるコンサルティングを実施。その後、中堅中小企業の事業再生を主業務としているロングブラックパートナーズ株式会社にて財務DD、事業DD、再生計画の立案、損益改善施策検討に従事。ブルーリーフパートナーズ株式会社設立後は加え税理士法人含む全社の事業推進を実施。
・慶應義塾大学大学院商学研究科修了

事業が厳しいと感じたら、早めの決断が重要です。
最適な再生戦略を一緒に考え、実行に移しましょう。