SERVICEM&A事例紹介

自分がいつまで会社にいられるか分からない、今後も従業員が安心して働けるような環境を作りたい。そんな想いを叶えてくれるのがM&Aでした。
M&A事例インタビューFile / No.0001
2024/05/15
譲渡企業
株式会社臨海メディカルサービス
設立年月日
1991年
代表者名
深澤 守男氏
事業内容
健康診断補助業務

本件概要

東京都江戸川区を拠点に健康診断補助業務を営む株式会社臨海メディカルサービスは、主に関東の企業や大学に対して巡回健康診断・超音波検査を行う会社です。コロナウイルスによる一時的な落ち込みはあったものの、長年安定して経営をしてきた2022年9月、同社はエムスリー株式会社にM&Aで株式を譲渡致しました。エムスリー株式会社は医療従事者向けのプラットフォーム「m3.com」を中心に医療分野における多様なサービス展開を行っており、今後は予防医療の分野へ参入していくという方針のもと、今回の譲受を決断しました。譲渡企業の社長であった深澤守男氏は、経営統合後、取締役会長として今後も会社の成長を見守っていくとの事です。 (下記、臨海メディカルサービス様HPより引用)

深澤社長の想い

東京都内で健康診断補助業務を営む、株式会社臨海メディカルサービス深澤社長は設立から30年もの間、会社を経営してきました。しかし、深澤社長の年齢もご高齢となり、ご自身の病による入院、交通事故をきっかけに、「自分が会社にいられなくなったら、長年一緒にやってきた従業員達が路頭に迷ってしまう。」と考え、事業承継について考えるようになりました。しかし、ご子息がおらず、従業員は財力の問題で株を買い取ることが困難である、その為十分な資金があり、今後も既存の勤務状態を継続してくれる会社に任せたい、そんな想いからM&Aを決断されました。

相乗効果を見込める候補先探し

M&Aによる株式の譲渡を検討する最中、公的窓口への相談等も実施はしていたものの、弊社提携税理士よりご紹介を受け、深澤社長との面談を実施、本格的な候補先探しの為、M&A仲介業務のご依頼を受けるに至りました。深澤社長がお相手様に求める条件は、「現在の事業を継続して行える」「従業員の継続雇用」「相乗効果による売上増加が見込める」この3つでした。マッチングには6ヶ月ほどの時間をかけ、3社の候補先との面談を経て、最も希望を叶えてくれる、安心してお任せできると判断しヘルスケア業界最大手のエムスリー株式会社へ譲渡を決断しました。

エムスリー株式会社への印象

ご面談以前、大きすぎる会社への譲渡は、自社の会社が吸収されてしまい、既存の事業の継続が困難になるのでは?という不安を抱えていらっしゃいました。しかし、ご面談には、エムスリー株式会社代表取締役である谷村社長が直々に参加され、積極的なコミュニケーション、臨海メディカルサービス様の事業に関心を示しておりました。大企業であれば担当者ベースでのやり取りが大半である中で、いきなり谷村社長とお話出来た点に深澤社長は非常に好感を示し、「この会社であれば、今の事業をそのまま継続、発展させてくれるだろう。」と感じたとの事です。

譲渡後の深澤社長の想い

2022年9月1日、両社による調印、必要書類の提出が終了し、M&Aが成約するも深澤社長は譲渡の実感が湧かないとのことでした。お話をお伺いしました2023年1月26日は経営統合や引継ぎでかなりご多忙にされているとの事ですが、今後は自身の身に何かがあっても、会社にも従業員にも迷惑をかけることがなくなったとほっとした様子であり、少しずつ会社を譲渡したという事の実感が湧いていらっしゃるとの事です。これからは会長職に就き、身体が元気なうちは働き、会社を見守っていくようです。

弊社(ブルーリーフパートナーズ株式会社)への印象

最初は担当者の年齢も若く、不安を感じられたとの事です。しかし、お話が進んでいくにつれ、株価分析を丁寧に行った点や最適な候補先をご提示させて頂いた点を通して徐々に評価を頂けるようになりました。

M&Aを検討している経営者様へ

今回、深澤社長が譲受企業選定に最重要視していたのは今後も従業員が安心して働く環境を継続するために既存の事業を変わらずに継続してもらえる先であるかという点でした。この点がぶれてしまうようであれば、M&A中断も大いに考えられたとの事です。M&Aは実施して終わりではありません。そこからが本当のスタートであり、譲渡後に従業員が安心して働いていける環境を作れないと意味がないと深澤社長が考えていらっしゃるように、社長にとって重要視される部分は異なるものの、その点は決してぶれずにM&Aを行うことが重要です。

担当アドバイザーコメント
マッチング管理室石丸 樹
今回は後継者不在である企業様と業界最大手である企業様との企業提携のお手伝いをさせていただきました。

本件で最大の論点は今後も従業員様が安心して働き続けられる環境を残すという事でした。その為には会社の発展は必要不可欠ですが、健康診断補助業務という業種柄、自社のみで新規案件の受注を安定して確保することは簡単ではありません。また、健康診断を行う上での医師やスタッフの確保にも課題を感じられておりました。その為、譲受企業様は豊富な医療ネットワークを有する企業様に絞り、マッチング活動を進め、結果としてヘルスケア業界で最大手であるエムスリー様へ譲渡いたしました。エムスリー様は、後継者不在という課題だけでなく、新規案件の受注や医師・スタッフの確保等の課題に対し、共に解決、更なる業績の拡大が見込めるパートナーとして絶対的な安心感がございます。

臨海メディカルサービス様の事業が、エムスリー様の今後の事業展開にマッチし、何より深澤社長もご納得いただける条件にて契約締結が完了し、弊社としても大変喜ばしく思います。

今後のエムスリーグループ各社様との提携により、ヘルスケア業界の更なる発展を非常に楽しみにしております。